【風と共に生きる-無料メール講座-Day3】成長の陰で生まれた停滞と課題──バブル崩壊から現在へ

昨日は、戦後の焼け跡から奇跡のような成長を遂げた日本の物語をお届けしました。
しかし、その輝きは長く続きませんでした。

高度経済成長が終わりを迎えた1970年代後半、
オイルショックをきっかけにエネルギー価格が高騰し、
製鉄・造船・重工業は打撃を受けました。
その後、1980年代後半には資産価格の急騰──バブル経済が起こり、
株や土地が実態以上に値上がりしましたが、1991年に崩壊します。

バブル崩壊後、日本は長引く不況に入り、
“失われた10年”と呼ばれる時代を経て、
さらに“失われた30年”と語られるまでに停滞が続きました。
賃金は伸びず、若者の雇用は不安定になり、
地方の工場は閉鎖され、港町からも活気が消えていきました。

主人公・津村源一が勤めた製鉄所も例外ではありません。
かつて世界に誇った鋼板工場は縮小し、
夜の海を照らしていた工場の灯りは次第に減っていきました。
源一が朝の散歩で感じた“風の止まった町”は、
まさにこの時代の象徴です。

経済の停滞は技術開発の遅れも招き、
今日のAIや再生エネルギーの分野でも、
日本は後れをとる原因を抱えることになりました。

明日のDay4では、AIの現状と今後の予測をお話しします。
世界がどこまで進み、日本がどこにいるのか──
未来の風を再び吹かせるためのヒントを探ります。

シルバーキング 池田邦泰
(『風と共に生きる』著者)

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