これまでAIや環境問題についてお話ししてきましたが、
どちらの発展にも欠かせない基盤があります。
それがデータセンター(DC)です。
私たちがスマホで検索し、動画を観て、
AIを使って文章を作るたびに、
その膨大な情報はどこかのサーバーで処理されています。
この“情報の心臓部”がデータセンターです。
近年、生成AIの普及によってデータ量は爆発的に増え、
世界ではより高速・省エネ型のデータセンター建設が加速しています。
一方で、データセンターは電力消費と冷却のための水資源が大きく、
立地選びが重要です。
例えば、港町のように潮風が強い地域は、
塩害によるサーバー機器の故障リスクがあるため不向きです。
そのため、日本では内陸部や冷涼な高原地域が候補地となり、
再生可能エネルギーと組み合わせて運営されるケースが増えています。
データセンターの誘致は、
地域経済に新たな雇用と税収をもたらすだけでなく、
周辺の高速通信網やエネルギーインフラの整備を促し、
企業誘致の土台を築きます。
津村源一が語る“次世代の風”は、
デジタル産業を地方へ広げる動きにも通じています。
環境と共生しながら情報社会を支えるこの取り組みは、
地域再生の新たな切り札になり得るのです。
明日のDay9では、食とエネルギーを同時に支える
植物工場と陸上養殖の可能性についてお話しします。
持続可能な暮らしを支える“緑と水の産業”に目を向けてみましょう。
シルバーキング 池田邦泰
(『風と共に生きる』著者)

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