【風の通り道—無料メール講座Day5】陸上養殖のメリット:海を越えて魚を育てる

こんにちは、池田邦泰です。

今日のテーマは 陸上養殖。
少し耳慣れない言葉かもしれませんが、実は今、世界中で注目を集めている技術です。

海の漁獲量は年々減少しています。
乱獲や海洋環境の悪化、気候変動による水温変化。
これらが重なり、かつて豊かだった海が次第に「魚の取れない海」に変わりつつあります。

そんな状況の中で登場したのが、**RAS(循環式陸上養殖システム)**です。
これは水を循環ろ過しながら魚を育てる方式で、海や川から離れた場所でも安定した生産が可能になります。
メリットは大きく三つあります。

第一に、病気や赤潮のリスクが低い。
海に直接放流しないため、外的要因から魚を守ることができます。

第二に、環境負荷を抑えられる。
水を循環利用するので、大量の排水を出さずに済みます。

第三に、食の安全保障につながる。
輸入に頼らず国内で魚を育てられるので、供給が安定し、災害時にも強い仕組みになります。

もちろん課題もあります。
設備投資が高額で、運営コストもまだ下がり切っていません。

しかし技術の進歩とともに、少しずつコストダウンが進み、事業として成立するケースが増えてきています。

小説の舞台となった赤穂の海辺を歩くと、かつての塩田の風景と共に「未来の海」が頭に浮かびます。
もし源一が現実に存在したなら、この陸上養殖を新しい挑戦のひとつとして取り入れていたかもしれません。
海の枠を越えて魚を育てることは、人類の知恵が自然と共生するひとつの方法なのです。

👉 あなたはもし近所に「陸上養殖で育てられた魚」が売られていたら、食べてみたいと思いますか?

次回は、ここまでのテーマをまとめながら、小説の物語と現実の社会課題をさらに結びつけて考えてみたいと思います。

―― シルバーキング 池田邦泰

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