こんにちは、池田邦泰です。
前回はAIの普及を支える基盤としてデータセンター(DC)が不可欠であることをお話ししました。
今日はさらに一歩踏み込み、「グリーンデータセンター」 という新しい方向性について考えてみます。
AIやクラウドサービスを支えるDCは、電力消費が非常に大きい存在です。
最新GPUを搭載したサーバーラックが並ぶと、その消費電力は小さな町ひとつ分に匹敵することもあります。
さらに稼働する機器を冷却するために大量の電力や水が必要です。
もし従来通り化石燃料に依存した電力でまかなえば、AIの進化が進むほど温室効果ガスも増えてしまうという矛盾に直面します。
その解決策が「再生可能エネルギーとの融合」です。
太陽光や風力、小水力やバイオマス発電といった地域資源を活用し、DCの電力需要を賄う。
加えて、余剰電力を地域に還元することで、地元の産業や暮らしにもプラスの循環を生み出せます。
すでに北欧諸国では、水力や地熱を活用した大規模グリーンDCが稼働しており、日本でも北海道や九州など、再エネポテンシャルの高い地域で構想が動き始めています。
もちろん課題は残っています。安定供給のための蓄電池や水素利用、送電インフラの整備、そしてコスト。
ですが、これらは技術の進化と政策の後押しで少しずつ解決可能なものです。
むしろ「エネルギーを制する者がAI時代を制する」と言っても過言ではありません。
小説の中で源一が見上げた工業地帯の煙突の風景が、未来には風車やソーラーパネルに置き換わり、その背後で静かに稼働するグリーンDCへと変わる――そんなシーンを想像すると、物語と現実の境界はますます曖昧になっていきます。
👉 あなたは「AIの進化」と「脱炭素社会」が両立する未来を、どんな形で思い描きますか?
次回は「地域社会と新産業のシナジー」と題し、植物工場や養殖、DCが交わる新しい可能性を探ります。
―― シルバーキング 池田邦泰

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