AI導入の成否を分けるのは、ツール選びではなく設計の順序です。
多くの失敗は、現場から個別に始めて後で全体方針を考えるパターンです。
逆に成果を上げる企業はまず目的(OKR)を短い一文で定義します。
「半年で営業生産性+30%」
「顧客対応のリードタイムを50%短縮」など、定量目標を掲げて初めて判断基準が揃います。
次に、その目的に直接効くユースケースを3つに絞り込みます。
頻度×所要時間×待ち時間の積が大きく、かつ効果を測定しやすい業務が最適です。
その上で削減工数や品質向上、売上増などのROI仮説を数値で置き、経営陣と合意してから動き出します。
ここを曖昧にすると、途中で「結局どれほどの成果か分からない」という理由で中断されてしまいます。
さらに忘れてはならないのが責任線です。意思決定者・運用担当・ガバナンス責任者・監査ログ管理者を明確にし、評価基準と二重チェックのルールを先に引きます。
こうして初めて現場は安心して試し、管理部門は規律を守りつつ支援でき、経営は投資の妥当性を説明できる体制になります。
これらをA4一枚の設計図にまとめると整理が進みます。
①目的、
②対象タスク、
③成功指標、
④責任者、
⑤リスクと対策、
⑥スケジュール
を記載するだけでよく、後はこれを軸に現場でSOPづくりに着手できます。
AI導入とは単なるデジタル化ではなく、仕事の定義を更新する経営課題です。
CTA
👉 あなたの組織でOKRを一行、対象タスクを3つ、責任者名まで書き出してみましょう。
次回予告
DAY6では、上手い人のコツをSOP(標準手順)に落とし込み、再現性を出す方法を解説します。
P.S.
戦略は短く具体的に。長くあるべきは成果のリストだけです。

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